第10章 緊急時医療の実施

 本市及び関係機関等は、相互に連携して、原子力軍艦事故による災害時における一般傷病者、被ばく及び被ばくのおそれのある市民等に対して、検査、除染、治療等の緊急時医療を実施します。

第1節 緊急時医療本部の設置と任務

【健康福祉部】【市民病院】

 効果的な緊急時医療措置の実施にあたり、原子力災害対策本部の付属機関として、緊急時医療本部を設置するものとします。
  また、医師会等に対し、緊急時医療に係る協力を要請するとともに、国の緊急被ばく医療チームの派遣要請及び、必要に応じて、放射線医学総合研究所への受入れについての要請を行います。
  なお、緊急時医療活動のための組織及び任務は次表によるものとし、活動系統については、次の系統図のとおりです。

緊急時医療活動組織

緊急時医療本部長 健康福祉部長
緊急時医療副本部長 健康福祉部副部長、保健所長

組 織 名 編 成 機 関 編成人員(1チーム当り)
医療調整班 健康福祉部  

汚染検査班

汚染除去班

横須賀市医師会

保健所・健康福祉センター

汚染検査班  

医 師     2
(汚染除去班を兼務する)
放射線技師 1
看護職員  2
その他    8

汚染除去班
 
看護職員  2
その他    4
専門医療班 横須賀共済病院
横須賀市民病院
 
国 緊急被ばく医療チーム 放射線医学総合研究所  
ヨウ素剤搬送班 健康福祉部 その他    2

 

緊急時医療活動の任務

組 織 編 成 基 準 業     務
医療調整班

 健康福祉部によって編成する
※ 国派遣の緊急被ばく医療チームの助言を得る

1 緊急時医療活動実施のための情報 収集及び連絡
2 緊急時医療活動の実施
3 緊急時医療資機材(救援物資)の 受入れ
4 後方医療機関への連絡員の派遣
汚染検査班
汚染除去班
 主として放射線医療に従事する医師、看護婦等によって編成し、チームの数は災害の態様によって決定する
※ 国派遣の緊急被ばく医療チームの助言を得る
1 救護所(避難所)における放射線被 ばくのおそれのある者に対する1次スクリーニング・応急除染
2 ヨウ素剤の投与
専門医療班  横須賀市民病院、横須賀共済病院の医師、看護婦等によって編成する
※ 国派遣の緊急被ばく医療チームの助言を得る
重篤者、及び一次緊急医療の結果により専門的処置が必要な被ばく者等に対する医療活動


1 一般傷病者に対する医療活動は、地域の医療機関が実施する。
2 救急搬送は、消防機関の救急隊員等があたる。

 

緊急時医療活動系統

 

第2節 緊急時医療活動の実施

【健康福祉部】【市民病院】【消防局】

 原子力軍艦事故による災害時において、緊急時医療本部は、関係機関等との緊密な連携と協力のもと、一般傷病者、被ばく及び被ばくのおそれのある市民等に対して、検査、除染、治療等の緊急時医療措置を実施します。
  特に、原子力災害対策上、考慮すべき傷病を3群に分類して医療措置を講ずるものとし、その内容は次表のとおりです。
  なお、緊急時医療措置の具体的な実施内容については、別に定める「緊急時医療活動実施要領」に基づいて実施します。

緊 急 時 の 医 療 措 置

分 類 汚染なし 汚染あり
第 1 群 第 2 群 第 3 群
傷病程度
・症状
 放射線被ばく、又は放射能汚染とは直接関係なく、緊急時の混乱等により生じる一般的傷病、身体的異常、疾病の悪化等  急性障害を生じない程度の放射線被ばく、又は体表面及び体内の軽度の放射能汚染
(一般的傷病等との複合を含む)
 臨床観察あるいは医療を要する被ばく又は放射能汚染
(一般的傷病等との 複合を含む)
対応区分
医療措置  傷病者の心理的動揺等について十分配慮しつつ通常の一般的傷病、身体的異常、疾病の悪化に対する処置を行う  放射能汚染除去の措置を施すとともに、必要に応じ甲状腺モニタリング、並びに身体、尿及び血液の放射能の計測を行う 又、一般的傷病が複合している場合、その重篤度に応じて放射能汚染が拡大しないよう留意しつつ医療措置を施す  第2群対応医療機関で対応の困難な放射能汚染除去、治療、追跡調査を行う
対 応
医療機関
(地域の医療機関) 後 方 医 療 機 関 放射線障害専門病院
横須賀共済病院
横須賀市民病院
放射線医学総合研究所
搬送機関  個人
 消防機関
 消防機関
 医療機関
 消防機関
 医療機関
 他都市消防防災ヘリコプター
 自衛隊ヘリコプター

[ 要領 「緊急時医療活動実施要領」 ]

[ 資料 3 - 10 - 2 「医療機関一覧表」 ]

 

第3節 ヨウ素剤の配布及び服用

【健康福祉部】

 原子力災害対策本部長は、国、国から派遣された専門家及び県等の指示、指導又は助言を得て、ヨウ素剤の配布を行い、被ばく及び被ばくのおそれのある市民等及び防災業務従事者に対し、ヨウ素剤の服用の指示を行います。
 また、服用の指示にあたっては、市民等が心理的動揺、混乱等を起こさないように特に留意し、服用理由、方法、期間、その他の必要な注意事項を周知徹底するものとします。
  なお、ヨウ素剤の配布及び服用についての具体的な内容については、別に定める「ヨウ素剤取扱い要領」に基づいて実施するものとします。

[ 要領 「ヨウ素剤取扱い要領」 ]


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