第3編 災害応急対策

第1章 応急活動体制

 市長は、原子力軍艦事故による災害が発生し、又は発生するおそれがある場合において、国及び県からの指示、指導又は助言を得るとともに連携協議のうえ、災害の対策を行うための組織の設置を行い、防災体制を強化します。

 

第1節 原子力軍艦事故災害対策本部の設置等の基準

 原子力軍艦事故による災害の影響が市民等におよび、又はおよぶおそれがある場合の対策協議及び原子力軍艦事故災害対策本部(以下「原子力災害対策本部」という。)設置の判断基準は、次表のとおりです。

原子力軍艦事故災害対策本部設置基準

判 断 基 準 対 応

放射能対策
本部会議開催

1 原子力軍艦放射能調査指針大綱に基づくモニタリング結果から、科学技術庁長官が指名する調査班長と市長との協議が必要とされるとき

2 市長が放射能対策本部会議開催の必要性を認めるとき

1 放射能対策本部会議の開催
2 国及び県との対策協議
3 基地周辺の環境調査の強化
4 緊急時モニタリングの実施
5 その他必要な災害応急対策及び強化
原子力軍艦事故
災害対策本部
設 置

1 原子力軍艦事故による災害の発生を覚知したとき

2 空間ガンマ線量率の値が10μGy/h以上、あるいは、周辺地域の予測線量当量が5mSv以上になると予測されるとき

3 上記の数値には至らないが、市長が原子力軍艦事故災害対策本部設置の必要性を認めるとき

1 原子力軍艦事故災害対策本部会議の開催
2 緊急時モニタリングの実施及び強化
3 国及び県との対策協議
4 住民広報の実施
5 報道機関との対応
6 防災関係機関への連絡及び応援要請
7 その他必要な災害応急対策

  屋内退避指示

1 外部全身の被ばく予測線量当量が10 mSv以上、あるいは、甲状腺の被ばく予測線量当量が100 mSv以上になると予測されるとき

2 上記の数値には至らないが、原子力軍艦事故災害対策本部長が屋内退避の必要性を認めるとき

コンクリート屋内
退避指示
及び避難指示

1 外部全身の被ばく予測線量当量が50mSv以上、あるいは、甲状腺の被ばく予測線量当量が500mSv以上になると予測されるとき

2 上記の数値には至らないが、原子力軍艦事故災害対策本部長がコンクリート屋内退避及び避難の必要性を認めると き

(注) ※放射能対策本部は、原子力軍艦放射能調査指針大綱に基づき、横須賀市放射能 対策本部設置要綱に定める組織をいう

 

第2節 原子力軍艦事故災害対策本部の組織

 災害応急対策を迅速かつ的確に実施するため、速やかに組織の編成、要員の確保を行い、初動体制を確立するとともに、防災関係機関との緊密な連携を図り、活動体制を整備します。

(1) 原子力軍艦事故災害対策本部組織 原子力軍艦事故災害対策本部の組織は、次図のとおりです。

 

原子力軍艦事故災害対策本部組織図

(注) 各対策部の部長は、水道対策部は水道局長、学校対策部は教育長、応援対策部は代表監査委員、その他の対策部にあっては、それぞれの各部長等とする。

 

(2) 原子力軍艦事故災害対策本部各対策部事務分掌
  各対策部は、災害対応業務計画を常に整備し、かつ職員に周知徹底を図り、災害応急対策を的確に実施するために必要な体制を確保し、その所掌事務は次表のとおりです。

 

原子力軍艦事故災害対策本部事務分掌

事 務 分 掌
総務対策部 1 部管理施設の被害状況の把握に関すること
2 臨時電話の設置手続きに関すること
3 他対策部の所管に属さない事務に関すること
4 放射能対策本部長(原子力軍艦事故災害対策本部長)の特命に関すること
5 災害見舞者の応対に関すること
6 報道機関に対する情報の発表及び連絡に関すること
7 臨時広報紙の発行に関すること
8 各部の災害記録写真等の編集に関すること
9 原子力軍艦事故災害対策本部員の把握及び応援対策部員の配置に関すること
10 災害従事職員の災害補償等の手続きに関すること
11 原子力軍艦事故災害対策本部員の食料、寝具等の調達に関すること
12 原子力軍艦事故災害対策本部員の健康管理等に関すること
企画調整
対策部
1 災害情報収集及び把握に関すること
2 被災地住民登録票の集計整理に関すること
3 外国人及び米軍基地との情報収集・伝達に関すること
4 国際交流ボランティアに関すること
5 応援自衛隊との連絡及び調整に関すること
   * (派遣要請は消防対策部が担当)
財政対策部 1 災害対策に係る予算措置に関すること
2 災害に伴う財政計画及び財政に関する県との連絡に関すること
3 臨時市議会の諸手続に関すること
4 災害応急活動に必要な資機材の調達に関すること
5 備蓄資機材の管理に関すること
6 災害応急活動に必要な車両等の調達及び管理に関すること
7 車両燃料の調達に関すること
8 避難所の開設状況、避難者数等の収集伝達に関すること
9 原子力軍艦事故災害対策本部との連絡調整に関すること
市民対策部 1 部管理施設の被害状況の把握に関すること
2 本庁管内及び市内の被害情報収集伝達に関すること
3 各行政センターとの連絡調整に関すること
4 管内町内会等との連絡調整に関すること
5 災害弔慰金、見舞金の支給に関すること
6 災害援護資金の貸付けに関すること
7 り災証明書の交付に関すること
健康福祉
対策部

1 備蓄医薬品、衛生材料の搬送及び支援医薬品の管理、搬送に関すること
2 遺体の火葬の実施に関すること
3 部管理施設の被害状況の把握に関すること
4 要援護者(児童、障害者、高齢者等)の援護対策に関すること
5 医療機関への連絡調整に関すること
6 緊急時医療本部の設置及び運営に関すること
7 救護所の設置及び運営に関すること
8 ヨウ素剤の取扱いに関すること
9 保健活動の実施に関すること
10 防疫活動の実施に関すること
11 飲料水及び飲食物の摂取制限に関すること
12 災害時ボランティアの受付及び配置計画に関すること

病院対策部 1 部管理施設の被害状況の把握に関すること
2 災害時の医療救護等に関すること
環境対策部 1 部管理施設の被害状況の把握に関すること
2 緊急時モニタリング本部の設置及び運営に関すること
3 ごみの緊急対策に関すること
4 し尿及び浄化槽の緊急対策に関すること
経済対策部 1 部管理施設の被害状況の把握に関すること
2 農畜水産関係の被害状況の収集及び対策に関すること
3 汚染、又はそのおそれのある農畜水産物の採取及び出荷の制限並びに廃棄処分に関すること
4 救援物資の配分計画及び調達供給に関すること
5 食料の調達供給に関すること
6 他都市からの救援物資等の調整供給に関すること
都市対策部 1 部管理施設の被害状況の把握に関すること
2 仮設住宅の建設・入居等、県との調整に関すること
緑政対策部 1 部管理施設の被害状況の把握に関すること
2 公園施設の応急対策に関すること
土木対策部 1 被害状況の把握に関すること
2 市道の障害物の除去に関すること
下水道
対策部
1 部管理施設の被害状況の把握に関すること
港湾対策部

1 部管理施設の被害状況の把握に関すること
2 港湾施設の応急対策に関すること
3 海事関係者に対する広報に関すること

水道対策部 1 部管理施設の被害状況の把握に関すること
2 飲料水の摂取制限及び広報に関すること
3 応急給水に関すること
4 水道水の放射能対策に関すること
消防対策部 1 市全域の消防活動方針の策定に関すること
2 災害情報の総合判定に関すること
3 他都市消防部隊の応援要請に関すること
4 原子力軍艦事故災害対策本部、警察機関等への職員派遣及び情報収集、連 絡に関すること
5 災害活動組織運営の総合調整に関すること
6 警防本部及び各方面隊の備蓄以外の食料調達に関すること
7 災害状況及び消防活動の記録、写真撮影に関すること
8 原子力軍艦事故災害対策本部への情報提供に関すること
9 関係防災機関からの情報収集に関すること
10 自衛隊等の応援要請に関すること
11 国の専門家の災害派遣要請及びその連絡調整に関すること
12 原子力軍艦事故災害対策本部への職員派遣及び運営に関すること
13 参集職・団員の確認、部隊編制等に関すること
14 広報、巡回及び監視警戒等に関すること
15 緊急時モニタリングの実施に関すること
16 住民等への退避・避難に関すること
17 応援部隊の連絡・誘導・対応に関すること
議会対策部 1 市議会議員への連絡調整に関すること
学校対策部 1 県との連絡業務に関すること
2 部の配備体制業務に関すること
3 連絡車両の確保に関すること
4 部から各学校等への指示・連絡に関すること
5 学校及び教育施設等の被害状況の把握に関すること
6 文化財の調査・保護に関すること
7 使用可能教室等状況調査に関すること
8 通学路の安全確認に関すること
9 応急教育の体制整備に関すること
10 転出入及び教材等に関すること
応援対策部 1 他班の応援に関すること
   (選挙管理委員会事務局・監査委員事務局等)
会計対策部 1 災害対策に係る経費の出納に関すること
2 義援金の受け入れ及び管理に関すること

 

第3節 原子力軍艦事故災害発生時の動員配備体制

 原子力災害対策本部長は、原子力軍艦事故による災害発生時における被害の軽減及び災害応急対策の迅速かつ強力な推進を図るために必要な配備体制をとります。

(1) 配備基準

 配備の区分、時期及び内容の基準は、次のとおりです。

区  分
配  備  基  準
災 害 対 策
1号配備
1 原子力軍艦放射能調査指針大綱に基づくモニタリング 結果から、科学技術庁長官が指名する調査班長と市長との協議が必要とされるとき
2 市長が放射能対策本部会議開催の必要性を認めるとき
放射能対策本部
会議開催
1 原子力軍艦事故の災害発生の情報を覚知したとき
2 市長が原子力軍艦事故災害対策本部設置の必要性を認めるとき
原子力軍艦事故
災害対策本部設置
2号配備
1 空間ガンマ線量率の値が10μGy/h以上、あるいは、周辺地域の予測線量当量が5mSv以上になると予測され るとき
2 上記の数値には至らないが、市長(原子力軍艦事故災害対策本部長)が配備体制の強化の必要性を認めるとき 
同 上
3号配備
1 外部全身の被ばく予測線量当量が10mSv以上、あるいは、甲状腺の被ばく予測線量当量が100 mSv以上になると予測されるとき
2 上記の数値には至らないが、市長(原子力軍艦事故害対策本部長)が屋内退避の必要性を認めるとき、及び配備体制の強化の必要性を認めるとき
屋内退避指示
 
コンクリート屋内
退避指示
 
避難指示

 

(2) 配備人員

 各対策部における配備人員は、以下のとおりです。 なお、1号、2号配備の場合の配備職員をあらかじめ指名しておくものとします。

対 策 部 名 1 号 配 備 2 号 配 備 3 号 配 備
総務対策部 各部のおよそ1/3を基準として、班ごとに指名しておく 全 職 員
企画調整対策部
財政対策部
市民対策部 12
健康福祉対策部
病院対策部
環境対策部
経済対策部
都市対策部
緑政対策部
土木対策部
下水道対策部
港湾対策部
水道対策部
消防対策部 別計画 別計画
議会対策部 各部のおよそ1/3を基準として、班ごとに指名しておく
学校対策部
応援対策部  
会計対策部  

(注) 1号配備の場合の配備人員は、各対策部長を含んだ人員とする。

(3) 職員の動員指令

 勤務時間内においては、庁内放送等で伝達された時点をもって発令されたものとし、勤務時間外、休日においては、迅速かつ的確に動員命令を伝達し、初動体制及び災害応急活動体制を確立します。


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