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新聞・マスコミ報道 2001年

2001年2月11日

地域から断固「ノー」

県内外から約800人が集まった「非核・平和条例を考える全国集会inヨコスカ」=横須賀市文化会館

非核・平和条例全国集会

 米艦船の民間港寄港にきっぱり「ノー」を突き付ける仕組みづくりを進めようと、「非核・平和条例を考える全国集会inヨコスカ」が十日、横須賀市深田台の市文化会館で開かれた。県内十三の労働団体や反基地市民団体などでつくる実行委員会の主催。「地域から平和をつくろう」を合言葉に、自治体の戦争への非協力体制の構築や米艦船の寄港を食い止める方策を模索するのが狙い。県内外から市民団体の関係者ら約八百人が参加した。(横須賀支社・石川 修巳)
 この集会は、一九九九年の北海道・函館大会に続き二回目。米艦船の民間港への寄港が相次ぐ中、寄港時に核不搭載を証明する文書の提出義務付けや平和目的以外の利用を認めないことを盛り込んだ「非核・平和条例」に着目し、条例制定に向けた運動方法の学習や各地の運動報告などが行われた。
 民間港寄港をめぐっては、神戸市が七五年の市議会決議により、外国艦船の寄港時に非核証明書の提出を義務付けている。九九年には高知県議会や函館市議会でこの仕組みの条例化に向けた動きがみられたほか、同様の市民運動は小樽市など全国各地に広がっているという。
 集会の冒頭、横須賀地区労の矢納直彦議長が「米艦船の寄港にはっきり『ノー』という運動が求められている。非核・平和条例制定運動を全国に発展させよう」とあいさつ。
 元沖縄県読谷村長の山内徳信さんが「地域から平和を考える」と題して記念講演し、米軍の読谷飛行場内に村役場をつくった際の経験談などを述べた。山内さんは「いつも村民の立場に依拠して判断するようにしてきた。あくまでも主人公は住民だ」と強調した。
 続いて、法政大学の江橋崇教授(憲法学)が「非核・平和条例の意義」と題して講演し、多くの賛同を得なければ制定できない条例化の難しさを踏まえ、「市民生活に対する安全への脅威という視点から、核や基地の問題をとらえ直す必要がある」と指摘した。
 全国集会は十一日にも開かれ、「原子力空母と原子力災害」など三つの分科会が同会館や同市本町のヨコスカ・ベイサイド・ポケットで開かれる。


“基地の町”に衝撃
抗議アピール緊急採択

 事故に対する抗議のアピールが採択されたのは、市文化会館で開かれていた「非核・平和条例を考える全国集会」の会場。
 集会の冒頭、司会者から「残念な連絡があります」と事故の概要が伝えられると、会場からは一瞬、「えっ」というどよめきが起きた。
 沈没した実習船に乗っていた高校生らが行方不明になるなど、今回の事故を重くみた主催五団体の代表者は協議の結果、緊急のアピールを集会で採択することを決めた。
 アピールは今回の沈没事故について、「『軍隊は国民を決して守らない』ことを立証した一九八八年七月二十二日のなだしお事故を想起させる」と指摘。国と米軍に行方不明者の救出に全力を挙げるよう求めるとともに、米海軍に対しては「太平洋での作戦行動の中止」を要求している。
 主催団体の一つ、「県民のいのちとくらしを守る共同行動委員会」の青山正彦さんは、「なだしお事故の惨事の記憶がまだ新しいわたしたちは、今回の事故に無関心ではいられない。軍隊という組織が、基本的には国民の命を脅かす存在であることをあらためて示した事例だと思う」と話していた。
 一方、横須賀市内で基地問題に取り組む市民団体のメンバーからは、「船の銀座通り」と呼ばれる狭い航路に原潜などの米艦船が一般の船舶に交じって航行する東京湾の実態をあらためて訴え、その危険性を指摘する声が上がっている。
 「非核市民宣言運動・ヨコスカ」の新倉裕史さんは、「同様の事故が起きる確率は東京湾の方が何十倍も高い」と警鐘を鳴らす。今回のハワイ沖の事故現場に比べ、「東京湾の浦賀水道は一日八百隻の船の行き来がある超過密航路」のためで、新倉さんは「そこを米艦船が出入りしている現状に目を向けてほしい」と訴える。
 新倉さんらが「わが物顔」と表現する米艦船の横須賀基地への寄港は、原潜に限ってみても、一九六六年五月の「スヌーク」の初寄港以来、今月十日現在で通算六百六十一回を数える。年間でも昨年は二十八回、一昨年は二十回の寄港があった。
 「原潜はなぜ海上に船がいることが分からなかったのか疑問だ」とするのは、「原子力空母の横須賀母港化問題を考える市民の会」の呉東正彦弁護士。過密な東京湾にひんぱんに出入りする原潜について、「原潜の事故があり得ることが今回はっきりした以上、一層の安全対策を求めるべきだ」と話している。

(神奈川新聞ホームページ・2001−2−11

2001年2月10日

水産高実習船が米原潜と衝突
9人不明 ハワイ沖

 ハワイ・オアフ島の南16キロの沖合で9日午後1時45分(日本時間10日午前8時45分)、愛媛県の漁業実習船えひめ丸(499トン)と米海軍のロサンゼルス級攻撃型原子力潜水艦グリーンビル(水中排水量6,927トン)が衝突、実習船は沈没し、乗っていた9人が行方不明となっている。関係者や米海軍のスポークスマンによると、実習船に乗っていたのは愛媛県の宇和島水産高(愛媛県宇和島市、堀田家孝校長)の生徒や教師ら35人。うち26人は米沿岸警備隊に救出され、オアフ島に到着、病院に収容された。26人に重体の人はいないという。沿岸警備隊のヘリコプターと救助船が残る行方不明者の救出作業に当たっている。在ホノルルの日本総領事館は緊急対策本部を作り、情報収集に当たっている。
 海上保安庁によると、えひめ丸の船長は、「潜水艦がいきなり浮上してきた」と、警備隊に話しているという。沈没地点の水深は550メートル。  太平洋艦隊の母港・真珠湾のあるオアフ島周辺の海域は、多数の海軍船舶が往来している。グリーンビルは衝突時は通常作戦中で、水面に浮上した際に後尾が実習船とぶつかったという。救出された人たちは、救命ボートに乗っているところを沿岸警備隊に発見されたという。原潜側に被害はないという。  グリーンビルは1996年2月に就役。真珠湾を母港とし、乗組員は将校16人を含む142人。トマホーク巡航ミサイルを搭載し、北極海の氷の下でも航行できる機能を持った最新鋭原潜。98年には長崎県・佐世保港や沖縄の米軍ホワイトビーチに寄港している。

 海上保安庁に入った連絡によると、行方不明になっている9人のうち、実習生は4人、乗組員が5人という。

(asahi.com・2001−2−10

2001年1月5日

基地全域の調査要請へ

◆土壌汚染で横須賀市

 米海軍横須賀基地の家族住宅建設用地で重金属に汚染された土壌が新たに見つかった問題で、横須賀市は四日、同基地全域の土壌や地下水について、汚染の有無を確認するための環境調査の実施を国に求める方針を決めた。米軍基地をめぐる環境問題が各地で噴出しているなか、同基地12号バースの汚染対策工事などの局地的な"対症療法"ではなく、予防的な意味も含めた基地全体の環境チェックと抜本的な対策を求めるものだ。基地全体の環境調査を横須賀市が求めるのはこれが初めてで、来週にも、外務省と防衛施設庁に対し要請書を出す方針。  横浜防衛施設局などによると、米海軍横須賀基地北部の高層住宅建設工事区域で昨年六〜九月、基礎工事で掘削した土壌から環境基準値を超す総水銀とヒ素が検出された。総水銀は基準値の約五十二倍、ヒ素は同一・一〜一・七倍だった。  同局は昨年十二月下旬になって、この事実を公表した。この工事区域では今月から、日本側が汚染範囲や原因の調査に着手するという。  横須賀市は今回、すでに重金属汚染が確認されている同基地12号バースとは離れた場所で、土壌汚染が発見された事態を重視。「基地全体に汚染が及んでいるのではないかと不安を感じている。仮に地下水の汚染などがあれば、市民生活にも影響が及びかねない」(市基地対策課)として、基地全域を対象とした環境調査を求めることにした。  今回の土壌汚染について、沢田秀男市長は「原因が何であれ、市民の間に基地内の管理運営に不安を生じさせる出来事であり、基地内の環境問題に必要な対応を図るよう要請したい」とコメントしている。  また、基地内の環境調査にあたっては、日米地位協定に基づく米軍側の基地管理権の問題がからむことから、外務省に対しては、調査主体や具体的な調査方法には触れず、「両政府間で協議のうえ、何らかの方法で早急に環境調査を行ってほしい」と要請する方針。  同基地の環境問題をめぐっては、ふ頭の延伸計画がある同基地12号バースで、最高で鉛が環境基準値の五百二十倍(地下水)、総水銀が同四百四十倍(土壌)−などの汚染が確認されている。同局は一昨年十二月から、ふ頭周囲に遮水壁を立てて汚染土壌を封じ込める工事を進めている。

(神奈川新聞ホームページ・2001−1−5


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