◆県内の在日米海軍施設
県内の在日米海軍基地施設内の工事区域から、相次いで環境基準値を超える有害物質が検出されていたことが二十七日、横浜防衛施設局の調べでわかった。同局によると、横須賀基地の住宅工事区域内から環境基準値の五十二倍余の水銀が、また、米海軍鶴見貯油施設(横浜市鶴見区安善町)内からは、最高で同基準値七十二倍の鉛が検出されていた。周辺環境や人体への影響はないという。
横須賀基地内の水銀は、今年六月〜九月、基地内北部で建設を進めていた九階建ての高層住宅建設予定地で、掘削作業中の土壌から検出された。また、同工事区域内では、同基準値の1・1倍〜1・7倍のヒ素も検出された。汚染の範囲や原因については今後調査するという。
一方、鶴見の施設では、一九九八年十月、燃料油の積み出し施設の改修工事中の土壌から、同基準値の二〜七十二倍の鉛が検出された。公表まで二年以上費やした理由については「日米合同委員会で対応を協議していたため」(横浜防衛施設局)という。同は今後、原因を調査する方針だが「同施設は戦時中に爆雷等を被弾したこともあるのでは」と話している。
いずれの地域も、「地下水には汚染がなく周囲や人体への影響はない」(同局)としている。今後の対応については、年明け一月から土壌のボーリング調査を行い、汚染の範囲や濃度などを調べる。調査費はいずれも在日米軍駐留経費負担(思いやり予算)により、日本側が負担する。
(神奈川新聞ホームページ・2000−12−28)