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新聞・マスコミ報道 2000年

2000年12月28日

有害物質相次ぐ

◆県内の在日米海軍施設

 県内の在日米海軍基地施設内の工事区域から、相次いで環境基準値を超える有害物質が検出されていたことが二十七日、横浜防衛施設局の調べでわかった。同局によると、横須賀基地の住宅工事区域内から環境基準値の五十二倍余の水銀が、また、米海軍鶴見貯油施設(横浜市鶴見区安善町)内からは、最高で同基準値七十二倍の鉛が検出されていた。周辺環境や人体への影響はないという。
 横須賀基地内の水銀は、今年六月〜九月、基地内北部で建設を進めていた九階建ての高層住宅建設予定地で、掘削作業中の土壌から検出された。また、同工事区域内では、同基準値の1・1倍〜1・7倍のヒ素も検出された。汚染の範囲や原因については今後調査するという。
 一方、鶴見の施設では、一九九八年十月、燃料油の積み出し施設の改修工事中の土壌から、同基準値の二〜七十二倍の鉛が検出された。公表まで二年以上費やした理由については「日米合同委員会で対応を協議していたため」(横浜防衛施設局)という。同は今後、原因を調査する方針だが「同施設は戦時中に爆雷等を被弾したこともあるのでは」と話している。
 いずれの地域も、「地下水には汚染がなく周囲や人体への影響はない」(同局)としている。今後の対応については、年明け一月から土壌のボーリング調査を行い、汚染の範囲や濃度などを調べる。調査費はいずれも在日米軍駐留経費負担(思いやり予算)により、日本側が負担する

(神奈川新聞ホームページ・2000−12−28

2000年12月13日

JNFが防災業務計画

◆緊急時の通報手順など盛り込む  

今年六月に施行された原子力災害対策特別措置法(原子力新法)に基づき、横須賀市内川の原子燃料体成型加工会社「日本ニユクリア・フユエル」(略称JNF、待場浩社長) は十二日までに、「原子力事業者防災業務計画」を作成し、異常事態に備えた予防対策と緊急事態応急対策、事後対策をまとめた。
 同社は、県と横須賀市と協議のうえ、十一日に同計画を科学技術庁に提出し、受理された。原子力新法では、全国の各原子力事業者に対し、原子力施設での異常事態の発生に備えた防災業務計画の作成を義務付けている。
 同社の計画では、イ原子力防災組織や通報連絡体制の整備などといった予防対策ウ十五分以内をめどにした関係機関への通報、放射能影響範囲の推定などの緊急事態応急対策エ施設の損傷状況や汚染状況を把握し、復旧計画を策定するなどの事後対策|を柱に文書にまとめている。
 また、原子力新法には防災業務計画の要旨を公開する規定もあり、希望者は同社で閲覧できる。

(神奈川新聞ホームページ・2000−12−13

2000年11月27日

原子力艦船の危険性などが話し合われた
記念集会=横須賀教育会館

改めて母港化ノー 市民団体、2周年で集会

 横須賀の市民団体「原子力空母の横須賀母港問題を考える市民の会」は二十六日、発足二周年の記念集会を横須賀市上町の横須賀教育会館で開いた。会員ら約六十人が参加し、原子力艦船の危険性とともに原子力空母の母港化阻止に向けた今後の運動展開などについて話し合った。
 同会は、横須賀の反基地市民団体のメンバーらが中心になって、一九九八年十一月に結成された。国が進めている同基地12号バースの延長整備を「原子力空母母港化への布石」とみて、同会は工事の反対署名運動を展開しており、現在までに四万人を超える署名を集めたという。
 冒頭、同会のメンバーがあいさつし、「米軍の原子力艦船の危険性を市民に知らせ、母港化ストップに向けた運動を粘り強く続けていこう」と述べた。
 集会では、原子力問題に詳しい慶応大学の藤田祐幸助教授(物理学)が、横須賀市がまとめた「原子力軍艦事故防災マニュアル」について講演した。
 藤田助教授はこのマニュアルを「具体的な広報内容までまとめた極めて画期的なもの」と評価する一方で、対策本部設置や住民避難を判断する放射線量の基準に言及し「被ばく線量の見積りに最大の問題がある。核災害を甘くみているのではないか」などと述べ、もっと低い数値の段階で対策を講じる必要性などを指摘した。

(神奈川新聞ホームページ・2000−11−27

2000年11月27日

先手打ち「ノーを」

横須賀基地への原子力空母配備を 視野に、三浦半島地域連合がスター トさせた政策研究会=17日夜、横須賀市内

◆横須賀、原子力空母配備で
 米海軍横須賀基地を抱える三浦半島地区の連合傘下の労組がこぞって、同基地への配備が取りざたされる原子力空母に対し、先手を打って「ノー」の声を上げようとしている。日米安保や原子力エネルギー利用の是非など、個別の政策課題については加盟労組間で温度差があって身動きが取れない連合だが、住民の生命を危険にさらす恐れのある原子力艦船の事故対策に限っては、「避けて通れない切実な問題」との認識で一致するためだ。今月から、原子力艦船にテーマを絞った政策学習会をスタートさせ、国や米軍に地域からもの申す、提言づくりの準備に入った。

■脱タブー
 政策学習会をスタートさせたのは、三浦半島地域連合(湊雄介議長、三万三千人)。第一回の学習会は横須賀市役所近くの市立勤労福祉会館(ヴェルクよこすか)で十七日夜に開かれ、加盟労組の組合員や地域連合推薦の市会議員ら約五十人が参加した。原子炉の専門家からその原理など基礎的な知識を学んだほか、今年七月、米軍基地のある自治体では初めて原子力艦船の事故を想定した防災マニュアルを作成した横須賀市消防局の担当者を招き、マニュアル策定に至った経緯や今後の課題について説明を受けた。 同地域連合の構成組合には、原子炉で使われる燃料体を製造する日本ニユクリアフユエル(JNF)や東京電力など原子力産業で働く労働者で組織する組合が含まれる。また、基地従業員の組合もあり、横須賀基地に寄港する原子力艦船について、地域連合の枠組みでその是非を真正面から議論することはこれまで、雇用確保などの観点から事実上、「タブー視」(地域連合関係者)されていた。
■発想逆転
 それがここにきて可能となったのは、各論にこだわって出口が見えないのなら発想を逆転させ、一致点を探す方向で努力をしようとする機運が、組織内で生まれたためだ。地域連合のある幹部は「原子力や基地など個別の問題については意見がまとまらなくても、『原子力空母の配備だけはごめん』というメッセージを発信することについては、すべての組織の考えが一つにまとまることに遅まきながら気づいた」と説明する。湊議長も研究会冒頭のあいさつで、「連合としては、原子力の平和利用や米軍基地の 存在を否定するスタンスを取ることは現状ではできない」と断りながらも、「ロシアの原潜事故などで原子力艦船に対する不安が高まっており、その問題点を研究していきたい」と明言。政策学習会発足の意義を強調した。
■来春メド
 地域連合では今後、一回から二回程度の学習会を開き、その成果を来年四月開催予定のシンポジウムの場で、政策提言として発表したい考え。原子力空母に関する態度表明を地域連合が急ぐ背景には、その配備の足音が「近付きつつある」との危機感がある。 横須賀基地に配備中の通常型空母「キティホーク」は就役から四十年近くがたつ老朽艦。二〇〇八年ごろには退役するとみられ、後継艦は原子力空母となるではないかとの 懸念が地元で広まりつつある。かりに、原子力空母の横須賀配備が政治スケジュールに上れば、同市最大の懸案となるのは確実で、横須賀市の幹部もこの話題に話が及ぶと、「できれば触れくない問題」と表情を曇らせる。米軍の原子力艦船の防災策について地域連合では「臨界事故をきっかけにできた原子力新法の適用を除外された上、軍事機密というベールに包まれて安全性の確認さえもできない」とそのお寒い現状を指摘。「横須賀への空母配備が安保政策上不可避で、しかも国内の原子力施設と同等の安全対策が求められない状況が続くのであれば、『せめて通常型空母の配備にとどめてほしい』というのがわれわれの考え方。政策提言では市民団体との連携も視野に、こうした思いを盛り込みたい」と話している。

(神奈川新聞ホームページ・2000−11−27


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